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【報 告】「興隆するファッションテキスタイル産業のためのプロフェッショナル育成プロジェクト」

update 2016.04.28

「興隆するファッションテキスタイル産業のためのプロフェッショナル育成プロジェクト」は、文部科学省の事業委託である「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進」事業の職域プロジェクトとして採択され、今年で2年目となります。
事業内容はクリエイティブ(ファッション)分野の中のひとつとして、国際的に活躍できる中核的専門人材の養成が不可欠であるという考えのもと、テキスタイルに精通した人材育成のためのプロジェクトとして事業の推進を行い、同時に産学官と連携をし、最終的にテキスタイルに特化した人材教育・供給と産業の復興を図ることを目的としています。

今日のファッションテキスタイル産業は、きもの文化により培われてきたと言っても過言ではありません。しかしその現状は、伝統産地業者、新しいテキスタイル作りに挑戦している業者など、国際的に高い評価や技術力・開発力を有しているにもかかわらず、国際化を果たせずに分業化された事業による産地の崩壊や業界の縮小が懸念されています。

1年目は、主にきものの伝統産地を中心とした9都府県15産地31か所の調査、文化学園大学2コース、文化ファッション大学院大学1コースの学生に特別授業を実施。東京都八王子市にある附属機関「文化・ファッションテキスタイル研究所」で開発したテキスタイルの現物資料に触れながら織物の組織や構造、可能性などについて講義を行いました。
2年目となる平成27年度は、服地やインテリアの現代織物産地調査、文化学園大学での特別授業、社会人教育プログラムを実施しました。

①15県20産地41ヶ所で服地やインテリアの現代織物調査を実施
地域資源の継承・保存活用状況・地域内経済状況を把握。調査先には織物設計の情報も提供していただき、貴重な資料を得ることができました。

山形県 米沢・鶴岡産地/4社、群馬県 桐生産地/2社、
新潟県 栃尾・見附産地/4社、石川県・小松産地/3社、
福井県 福井産地/2社、山梨県 富士吉田産地/3社、
静岡県 遠州・天竜社産地/2社、愛知県 津島・蒲郡産地/3社、
滋賀県 湖東・湖西産地/3社、兵庫県 西脇産地/4社、
奈良県 奈良産地/1社、和歌山県 高野口産地/2社、
広島県 備後産地/1社、岡山県 備中産地/2社、愛媛県 今治産地/5社

≪新潟県栃尾・見附産地、愛媛県今治産地の調査内容を抜粋して紹介≫
●新潟県栃尾・見附産地
かつて、全国に知られた“見附結城”や“絹節織”の栃尾・見附産地も、現在では化学繊維や綿素材による縞や格子の織物から絵柄表現の織物、また特殊捺染技術を使った世界で唯一の“マンガン絣”の服地、日本でも有数の規模を誇る横編・丸編ニットなどファッションテキスタイル産地へと変貌を遂げています。Basic RGB

【左から】 ドビー先染織物/染色/ロータリープリント

愛媛県今治産地
世界の産地ブランド「今治タオル」の力の源泉は分業化による産地形成を効率よく機能させるための各業者の前向きさであり、原料の綿糸を作るための綿花畑を作った業者、環境に配慮したCO²削減に取り組む染工場、オーガニックをはじめ多様な原料による斬新な開発を進める織物工場、ミシンに改良を重ねて最高の仕上がりを目指す縫製工場など関係者の協働意識の強さが見て取れます。Basic RGB

【左から】パイル織物/オゾン漂白施設/綿花畑

 

②文化学園大学での特別授業
服装学部服装造形学科(現:ファッションクリエイション学科)クリエイティブデザインコースにて90分7コマのプログラムを実施しました。
教育プログラムの内容はこちら

③社会人教育プログラムの実施
産業界を対象とした短期集中型のプログラムを11月中旬~12月中旬にかけ、下記の6ヶ所にて実施。
社会人教育プログラムの内容はこちら


平成27年度の事業を終えて

2年目となる今年は、現代織物産地調査、学生対象の教育プログラムに加えて新たな実学的プログラムによる社会人教育を実施しました。今後の課題として、理論的知識の裏付けによる企画や設計開発をするための教育を推進するとともに、斬新な発想力による新たな創造に挑戦することができる人材を育成し、ファッションテキスタイル産業界のグローバル化実現のためのプログラムの充実と拡大を図ることが重要と考えます。