卒業生を紹介
有限会社カイカイキキ 職種:ギャラリーアソシエイト
2020年年3月 卒業 ►ファッション社会学科歴史を預かるという意識で 美術作品に向き合う
東京・元麻布にある「カイカイキキギャラリー」のギャラリースタッフとして働き、展示する美術作品の設営や梱包、納品などを行うアートハンドラーの業務を中心に担当しています。以前も画廊に勤めていましたが、本格的にアートハンドラーの仕事に携わるのはここが初めてでした。入社当初は、周囲のスタッフはベテランや高いスキルを持つ人ばかりで、ゼロスタートの自分は先輩の横について実践しながら技術を身につけていくのに必死でした。
それから約4年が経ち、現在は後輩に業務を伝える立場となり、任される仕事も少しずつ増えてきました。アートフェアなどで海外出張に行く機会も多く、仕事を通して幅広い経験を積むことができています。アーティストと直接対話し、考えを共有しながら、スタッフ一人ひとりが役割を果たして展覧会を形にしていく。そのプロセスに大きなやりがいを感じています。
BUNKAでの学びが アートハンドラーにおける心構えの礎を築いた
カイカイキキの社長でありギャラリーオーナー、そしてアーティストでもある村上隆は、アートとファッションの領域を横断して結びつけてきた存在で、学生時代から尊敬していました。学芸員資格が取得できるファッション社会学科に進学したのは、ファッションとアートの両方に関心を持つ自分に合っていると感じたからです。ファッションビジネスのゼミを選んだのも、ものづくりを支える広報や企画、ブランドビジネスの視点に興味があったためでした。
そう振り返ると、BUNKAでの学びがアートハンドラーにおける心構えの礎を築いたと思います。特に印象深かったのが、学芸員課程の一環で、校舎に隣接する文化学園服飾博物館で行われた研修です。収蔵庫でのお手伝いでインカ文明のテキスタイルに触れた際、何百年もの時を経て自分の目の前にあるということに感動し、そのテキスタイルがすごく尊いものに見えたことをいまも鮮明に覚えています。アートハンドラーは美術作品を傷つけないように慎重に扱うことが大前提です。いつもその研修時に抱いた感動を思い出し、自分は歴史を預かっているという意識で臨んでいます。
そうした日々の積み重ねを通して、アーティストからお預かりする作品が展示を通してその魅力が伝わり、結果として売り上げにも繋がるよう、今後も専門性を高めながら貢献していくことが目標です。
My Work Style
アートハンドラー必須の仕事道具
美術作品や人にぶつかって事故が起こらないように、腰袋に必要最低限の道具だけ入れています。三種の神器として挙げられるのは、カッターとメジャー、そして社長の村上から出た指示を書き留めるメモ帳。昔は立派なレザーのシステム手帳にメモしていましたが、重くてかさばり作業の邪魔になったので、ビニールカバーの小さなタイプに変えました。腰袋につけたケースにジャストインしてお気に入りです。水準器とレーザーポインターもサブで入れています。それぞれに貼った紫色のマスキングテープは名前の代用で、紛失したときの目印に。
(取材:2026年3月)

