環境問題を知ってもらうためにいまの私にできること



  • 小林:どうしてファッション社会学科に?



  • 坂口:環境問題に興味があったので、環境について学べる大学を探していました。でも、BUNKAを知ったらこっちのほうが断然ワクワクしたので、入学を決めました。



  • 小林:ワクワクしましたか(笑)。



  • 坂口:おしゃれをするのが好きだったのと、パンフレットで「エコとファッション」というキーワードを見て、それが気になったんです。



  • 小林:BUNKAはこういう環境だから「エコとファッション」はずいぶん前から取り上げていたんですよ。それこそ、世の中がサステナブルって言い出す前からね。坂口さんは、もしほかの大学に入っていたら、どういう切り口から環境問題を考えていたと思いますか?



  • 坂口:どうでしょう……。ほかの大学は経済や経営といった切り口が多くて、それには全然ワクワクしなかったので(笑)。でも、入学したら思ったよりも環境問題に関心を持っている人が少なかったんですよ。



  • 小林:というと?



  • 坂口:私は「ファッション=環境問題」くらいに考えていたので、SNSで発信したり、イベントをやったりしたんですけど、実際に興味を持ってくれる人は少ないなっていうのが、1年生のときの印象です。



  • 小林:学科の学びも、環境問題がすべてではないからね。



  • 坂口:せっかくBUNKAに入ったのに、何か悔しくて。それで、どうしたらもっと興味を持ってもらえるかな?って考えて、やり方を変えてみました。



  • 小林:どんなふうに?



  • 坂口:私が環境問題を知ってほしい対象は、元々興味がある人よりも「興味がない人」だと気づいたんです。つまり、1から2にするんじゃなくて、0を1にする方法は何だろうって。



  • 小林:環境問題に興味のない「0」の人を呼び込むために、アプローチを変えてみたということですね。



  • 坂口:はい。初めから「環境!環境!」って言うんじゃなくて、「『私』の考えや想いを『ほかの人』が発信する」というコンセプトで、グループ展をやりました。



  • 小林:面白いね。なぜこの方法に?



  • 坂口:私はファッションの学校にいるけれど、服をつくれるわけじゃない。でも、周りを見たら多才な友達がたくさんいたんです。絵が得意な子、映像をつくっている子、言葉が上手な子や運営が得意な子にも声をかけ て、それぞれの方法で「私」を表現するものをつくってもらい展示しました。



  • 小林:それで、どうだった?



  • 坂口:なんとなく面白いと思って来てくれた子もいれば、社会問題とかジェンダーについて語る子もいたし、恋バナだけしていく子もいました。学科の子もたくさん来てくれました。



  • 小林:ファッション社会学科には、意外と内に秘めたものがあるタイプの学生が多いよね。



  • 坂口:本当にそうです!個別で話すと「そんなこと思ってたの!?」みたいな子にいっぱい出会えたし、人が集まって、そういう雰囲気をつくれたことが嬉しかったです。これからやりたい夢も見えてきました。




  • 「環境問題」を全面に出すのではなく、おしゃれやファッションに興味を持つ人を呼び込み、いま私たちが何を考えたら良いのかを、笑顔で話せる空間づくりにした。

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    ファッションじゃなくても「ワクワクすること」をつくりたい



  • 小林:「流通論」が面白かったと聞いたけれど、具体的にどんなところが?



  • 坂口:ウェルビーイングやインクルーシブといった働き方について、百貨店での取組み例を挙げた講義がありました。私の中の「環境問題」と「働き方」が繋がる部分を見つけられたので、印象に残っています。簡単に言うと、企業の考え方や取り組みが、扱う商品にちゃんと反映されているということなんですけど。



  • 小林:なるほど。環境についてずっと興味を持ち続けているのは素晴らしいことです。これから違う興味や関心が出てくるかもしれないけど、それに対する坂口さんの探究心や主体性は、たとえコンテンツが変わってもずっと生かしていけそうだね。



  • 坂口:将来はイベント運営に携わりたいんです。地産地消フェスみたいなことをプロデュースしてみたくて。全然ファッションではないんですけど、どう思いますか?



  • 小林:イベント運営には実に多くのことが関連してくるから、いま何を選んで勉強しても意味はあるし、役に立つと思うよ。



  • 坂口:良かった!1年次の選択科目で初めて服をつくったんですけど、先生のある言葉 で、私が服をつくることにも意味があるんだってわかって嬉しかったんですよ。



  • 小林:どんな言葉だったの?



  • 坂口:「ファッション社会学科での服づくりの目的は、実際につくってみることで、売られている服はどうなのかとか、何が問題なのかを考えること」っていう。



  • 小林:服をつくるとはどういうことかを理解した上で、じゃあ自分たちには何ができるのかっていうのを考えるのが、この学科の立ち位置なんだよね。



  • 坂口:大変でしたけど、やって良かったです。後期につくったパンツは素材が気持ち良いので、家で履いています(笑)。



  • 小林:いまは、企業や業種に関係なくファッションに通じるような感性や感覚が求められる世の中になってきていると思うんだ。何て言ったらいいのかな。ファッションを通して磨かれる「毎日の生活に必要なこと」みたいな感覚。だから、大好きなファッションで「ワクワクする」っていう気持ちは持ち続けるといいよ。



  • 坂口:私は、自分だけでなく、いろいろな人が「ワクワクすること」をつくりたいです!



  • 小林:その気持ちを、世の中に発信していってください。









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    1・2年次科目 Pick Up

    西洋服装史

    ヨーロッパの服装変化を時代や社会背景とともに学びます。歴史の視点からファッションの知識を深めることで、今後の展望を考察します。(1年)



    流通論

    流通機構の役割と仕組みを理解し、卸売業や小売業の機能と課題、百貨店やSC、E コマース等の業態の特性について学びます。(2 年)