服装造形学科(現・ファッションクリエイション学科)卒業生 髙梨法子さん
update 2018.06.07
〇今の進路に進んだ理由やきっかけ
はじめはアート表現をするようなデザイナーに漠然とした憧れを持ってBUNKAに進学しましたが、学生生活を過ごし今後の方向性を定めていく中で、生活に身近なファッション、リアルクローズに携わる仕事が向いていると考えるようになりました。元々読み物も好きで、雑誌から情報を拾う機会も多かったので、誰もが手に取れるライフスタイル誌や実用書から、日常に寄り添ったファッションを紹介していければと思い、出版業界に飛び込みました。
〇今の仕事内容
実物型紙の付録が付いているソーイング雑誌の編集業務を担当しています。毎シーズン、生地メーカーへ取材に行って新作生地をセレクトしたのち、デザイナーと打ち合わせ、ウェアデザイン及び製作を依頼します。作品完成後スタイリングモデルの撮影を行い、掲載ページの校正・原稿書き、付録型紙の作成を同時進行していきます。掲載内容に誤りがないか、初校、二校、三校…とチェックを重ね、グラフィックデザイナーや印刷所とのやりとりを繰り返して本の完成・発売に至ります。
〇ファッションショーでの役割、苦労話やのちの人生に生かせたこと
シーンでは細かい刺繍をメインとした衣装を担当しました。図案のデザイン、色彩表現にこだわりながら、毎日繊細な作業に打ち込みました。また、モデルマネージャーを担当し、モデル41名のスケジュール管理・サポートを務めました。モデル達は本番まで毎日ハードなウォーキング練習を重ね、体力はもちろんのことメンタル面でも負担がかかります。チームを支える立場として、一人一人が志気を保てるよう内面的なケアにも気を配りました。時には私の未熟な面をモデル達がカバーしてくれたり、チームみんなで助け合って乗り越えられました。本番当日、控え室でモデル全員と大きな円陣を組み、みんなで気持ちを一つにしてショーに挑んだあの瞬間を、今でも鮮明に覚えています。
〇仕事で大事なこと、自分の信念とは?
私は付録型紙の校正も任されているので、何日も型紙とにらめっこしながら細かな寸法チェックや製図修正などを行います。パターンの知識が必要な仕事なので、一種の技術職としてやりがいを持って取り組んでいます。完成した本は毎シーズン3万部近く印刷され、全国で発売されます。たくさんの読者さまにご覧頂くものを作っていますから、大きな責任と達成感があります。
〇大学生活を送る上でのアドバイス
多忙な学生生活の中で、目の前の課題をこなすことに必死になってしまいがちですが、視野を広げ、関心が向くものを自ら探して学んでみて下さい。そうして得たものはしっかり糧となって将来へ繋がっていくと思います。恵まれた環境で学習できる大学の4年間は、社会人になってからは得ることのできない貴重な時間です。積極的に知識を吸収しなければもったいないですよね。