ニュース

学長メッセージ「在学生の皆さんへ」

update 2020.04.14

 

文 化 学 園 大 学
文化学園大学短期大学部
学長 濱田 勝宏

 

「在学生の皆さんへ」

 
 在学生の皆さん、4月もはや中旬、お変わりなくお過ごしのことと思います。
 
 後期試験や年度末のスケジュールをどうやらこなして、皆さんがキャンパスを離れてから、かなりの時間がたってしまいました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため、多くのスケジュールの中止、延期などを経て、新学年度を迎えてしまいました。皆さん方の誰もが不安で落ち着かない毎日を送っているのではなかろうかと、案ずる次第です。
 
 最終学年度を迎えていよいよ学生生活にピリオドを打ち、次のステージへ飛躍する準備をすべき学生はもちろん、それぞれの年次でさらに学生生活の成果を期する学生の皆さんにとりましても、スムーズな進行が思うにまかせない現状はストレスの連続であろうと容易に推察できます。大学といたしましても必要な情報を順次お送りしながら、皆さんのさまざまな準備に符合した毎日であるよう努めていきたいと思いますが、とにもかくにも確実な予想が期待できない状況では、思うにまかせないこともあり得ることをご承知おきください。
 
 さて、政府や地方自治体は「緊急事態」を宣言し、「三密」を避ける市民生活を通じて、感染の拡大を防止しようと取り組んでいます。また、各方面の専門家や識者の多くが社会のありようや個々人の生活のあり方について、さまざまな見解を述べています。それらにはいろいろな分析や意見、そして提言・提案が含まれています。そして、人々の心情とそれらがもたらす社会の雰囲気を語る言葉や、ふさわしいキーワードも多数提示されているように思います。その中で多用されるもののひとつに「閉塞感」があります。「閉塞感」には、重苦しい語感を与えるものがあり、甚大な被害をもたらした自然災害の後に漂う世情を代弁するものとして、しばしば使われることが多いと言えます。今回も、世界に広がる感染症の脅威を前に、暗然とした人々の心の内を物語るものとして登場しているようです。
 
 皆さんの現在の心情を考えますと、いつ終息するかわからない感染の勢いに不安を覚え、学生として歩むべきペースを見出しにくいことへの焦燥感などが察せられます。すなわち「閉塞感」があると言ってよいでしょう。確かにそのような心情もあると思われますが、ここで、皆さんの専門領域の中から、あるいはこれまでに読んだり考えたり、そして観たりした事柄から何か考えることはできないでしょうか。 
 
 私たちにとって、先人が残した経験の記録、歴史が教えてくれる過去の事実や取り組みの内容と結果などは、それぞれに考えるヒントを与え、それこそ発想の転換によって、私たちを勇気づけてくれるものと思われます。キャンパスへの回帰がいましばらく叶わない中で生じた時間の一部をそれらに向けてみてはいかがでしょう。友人、先輩、そして先生や関係する人々との間で、自身が有するコミュニケーション手段で交換してみてはどうでしょう。それは、周囲の人々、一人ひとりと改めて真心で向き合うことになるでしょうし、理解し合い、助け合う心の結びつき、つまり強い絆を形成するものとなりましょう。
 
 本学の教職員一同は、皆さんがキャンパスへ戻ってくる日のための準備を進め、Gmailやホームページを通じて、必要な情報を順次お送りすることに努めています。また、学業半ばである皆さんに、それぞれに応じて自宅学習の課題の提示や、オンラインを通じて現在の時点で必要な学習が出来るよう対応することにしています これらを通じて皆さんの学業の遅滞を少なくし、自らの発想による研究や創作について、一歩でも先への進行を期待したいと願っています。
 
 皆さん方が感染症の災いを確実に回避し、この学年の成果を実感して頂けるよう、私たちも協力し応援していきたいと思っています。