【造形学部】横⼭稔教授の研究チームがスポーツ専用フェイスシールドを開発・製品化
update 2020.09.09
建築・インテリア学科の横⼭稔教授を中⼼とした、五感のデザイン研究チーム「Five sences of design lab」が開発した、ファッション×スポーツ×⽇本⽂化×建築インテリアの領域を横断した画期的なスポーツ専用フェイスシールドが製品化されました。
追加情報(2022.04.08 更新)
この日本の木造建築技術「継手」からインスピレーションを得たマラソン用スポーツフェイスシールドは、開発当初は製品として販売する目的ではなく、DIYで世界中どこでも型紙で作ることができるようなデザインを意図していた。テスト公開等を通じて商品化の要望も多く寄せられ、製品化も検討していたところ、コロナ禍で大会の中止が危ぶまれていた静岡県の公益社団法人袋井スポーツ協会主催の第32回袋井クラウンメロンマラソン大会での参加賞として配布したいという要望を受けた。元となったDIY用スポーツフェイスシールドは、既に参加者が持っている多様なキャップの鐔に、取付け部品を介さずにはめ込むだけで、マラソンに適したスポーツフェイスシールドとして機能するものだったが、さらに袋井クラウンメロンマラソン大会の要望に合わせた製品化への改良を重ね、「袋井スペシャルスポーツシールド」の名称としてリデザインした。結果として、この参加賞を2,000人に配付することで、大会を中止せず、開催に導く大きなきっかけとなった。(特願2020-115898)
日本デザイン学会/デザイン学研究作品集
マラソン用スポーツフェイスシールド(2022/03/31)
SBS静岡放送株式会社/動画ニュース
新型コロナ 夏の楽しみを守る!県内で新しいイベント様式(2020/08/06)
第32回袋井クラウンメロンマラソンで全国の約2,000人に参加賞として配付されたスポーツフェイスシールドを挟み込んだパンフレット
追加情報ここまで▲
開発当初は製品として販売する目的ではなく、DIYで世界中どこでも作ることができるようなデザインを意図していましたが、テスト公開などを通じて製品化の要望が多く寄せられました。これを受け、現在は特許を出願し社会貢献に繋いでいくことを目的に、今後社会実装していく予定です。
このスポーツ専用フェイスシールドは、既に持っているお気に入りのキャップやバイザーを使用することでシールドとして機能する構造にしました。最大の特徴は、日本刀に鍔を差すようなイメージで、シールドの切り込みに帽子の鐔を差し込むと、二次元のシールドが三次元に変化するところ。これにより平面から帽子の鐔のカーブに合わせた曲線的エアロフォルムが出来上がり、あたかもマジックの様に変化し固定されます。この構造は横山稔が長年研究している木造建築・インテリア継手の手法が下敷きとなっています。
日本において、お多福のような顔立ちは、「伝統的に福を呼ぶ好ましい顔立ち」とされていて、魔除けの意味もあります。このお多福型をインスピレーションにシールドの輪郭線をつくることで、withコロナやAfterコロナの時代でも微笑みを絶やさず、心理的にも安心してウォーキングやジョギングを楽しめるようデザインしました。外で歩いたり走る時でも相手の気持ちを思いやるエチケットとして、日本ならではの「OMOIYARI」精神をフィロソフィーとしています。
今回開発したスポーツシールドが、ニューノーマル(新常識)での生活の中、少しでもスポーツを楽しめ、ストレスを軽減できる一助になればと願っています。
Five sences of design lab
建築・インテリア学科の講義の一環としても行っている「五感のデザイン」のほか、「デザインネットワーク」、「デザイン思考」のメソッドを研究するチーム。
◎研究メンバー:横山 稔 教授 / 横山 陽子 特別外部講師 / 岡井 美奈 非常勤講師
このスポーツ専用フェイスシールドは、2020年9月27日(日)~10月10日(土)に開催される『第32回 袋井クラウンメロンマラソン』にて、「袋井スペシャル・スポーツフェイスシールド」として参加者全員に贈呈されます。