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【全学生へ】学長メッセージ「学生の皆さんへ -新年度を迎えて-」

update 2021.04.01

 

学生の皆さんへ
-新年度を迎えて-

 
 学生の皆さん、春の陽光の暖かさ、時として初夏を感じさせる天候の中、お変わりなくお過ごしのことと思います。
 新年度を迎え、皆さんそれぞれに気持ちも新たに、これからの毎日について何かと考えることの多い時かと推察します。言うまでもなく、コロナ禍への対応を迫られることに変わりない日常は、いましばらく私たちの脳裏を離れることはありません。しかし、昨年来の経験をもとに、毎日の過ごし方にも、より具体的で建設的な何かを求めていこうとする心構えを持って、進んでいこうと誓っていることでしょう。

 一人ひとりの皆さんが、いろいろな考えに立って、よりすばらしい学生生活を実現しようと張り切っている姿を想起するとき、私たち教職員一同も、皆さんを応援し、ともに頑張っていきたいと思う次第です。
 昨春からの一年余りは、皆さんにとって想像もしなかった異常な経験を強いられるものでありました。緊急事態宣言下での新学年の始まりは、学生生活の基本的なあり方をどのように確保し、いかなる方法で確実なものにするかという問題に終始する毎日となってしまいました。殊に、新入生の皆さんにとっては、入学式もなく、オンラインに依存せざるを得ない状況に追い込まれ、不安と苦悩をどのように解消していくかという課題に直面することとなりました。また、在学生におきましても、就職や卒業後の進路選択に直面する卒業年次生をはじめ、学年それぞれに取り組むべき課題に向き合いつつ、さまざまな制約を乗り越えて頑張ってきたと言わねばなりません。

 すなわち、皆さんはこれらの経験を通じて、感染症への対応について学んだだけでなく、どのように事態を把握し、いかなる方法で解決していくべきか考え、そして行動すべきかなど、困惑することは多かったはずです。この点は、過去一年が、高校生または受験生として、大学受験を控えた毎日であった新入生の皆さんにも共通するものであったと言うべきでしょう。

 学生の皆さん、コロナ禍への対応は、ワクチン接種の進行など新しい光明も見え始めてはいますが、飛躍的な展開で好転するとは言い切れない状況がいましばらくは続くものと思われます。少なくとも、日常生活の中で習慣化した事柄を忘れてはならないと、私たち自身に言い聞かせていかなければならないと言えるでしょう。

 そこで、皆さんの学生生活が実り多きものとなり、従来にも増して意欲と感動に満ちたものになりますよう、私たち教職員一同も取り組んでいきたいと念じています。学生の皆さんへお伝えすべきことは、授業や課題を通じて先生方から、また学生生活に必要な事柄やその手続きなどについては、事務局や担当の機関から逐次お知らせします。連絡の方法は、当分の間はGmailなどを通じたものにならざるを得ませんが、その点はご了承ください。

 一方で、皆さんからの質問や問い合わせについても、同様のことが言えるとは思いますが、遠慮なく連絡していただきたいと思います。
 多くの皆さんは、勉学のことはもちろん、学生生活のさまざまな問題について、先生、先輩、友人などいろいろな人たちと対話することなくリモートや、あるいは自分一人で考えることが多かったことと思います。このことは、本来の学生生活から考えて望ましくないことは当然です。ですが、この一年を振り返ってみて、皆さんの心に強く印象づけられたこともあったことと思います。勉学の中で知り得た新しい知識や技術、そして新たな発見など。また、読後の感動を今も忘れられない書物、自分の感性に訴えるものとなった芸術作品など、さらには自然の景観や草花が与えてくれた美的印象(それが映像によるものであっても)など、皆さんが想い出すものは多いだろうと推察します。もちろん、いま私があげた事柄の他にもさまざまなものがありましょう。それらをもう一度心の中に蘇らせて、さらに広く深く求めていくことも、学生時代でなければできないすばらしい経験です。申し述べたいことは、不自由な状況におかれても、私たちは考え方ひとつで、得がたい心的体験を味わうことができるということです。皆さんの若者らしいみずみずしい感性をさらに磨く何かを見出してください。惜しむらくは、皆さんに何かと刺激を与え感動のきっかけを与えるチャンスが学内にあるにもかかわらず、直接それらに接する機会が今は制限されていることです。その点を少しでも補う意味で、図書館、服飾博物館などからのお知らせにも注目してください。

 学生の皆さん、感染症への対策はゆめゆめ怠ることなく毎日を過ごしてください。そして、大学と、さらにはキャンパス全体と皆さんとの関係がより密接なものになるよう、私たちも努力していきます。皆さんにとっての毎日が、健康で、生気あふれ、そして何よりも学生らしいものでありますよう心から祈念する次第です。
 
 

文化学園大学・文化学園大学短期大学部 学長 濱田 勝宏