卒業生を紹介
職種:コスチュームデザイナー
2016年3月 卒業 ►ファッションクリエイション学科想像以上に多岐にわたる仕事の数々
インハウスデザイナーとして、サンリオピューロランドで行われるショーのほか、外部公演に出演するキャラクターやライブエンターテイナーのコスチュームデザインを担当しています。ショーの演目やテーマに合わせて、プロデューサーと打ち合わせをしながらコスチュームを作り上げていくのですが、「カワイイ」だけでなく動きやすいよう機能面や耐久性なども慎重に吟味する必要があり、完成後も本番に向けて微調整を重ねるなど、キャラクターやライブエンターテイナーが安心して出演できるようサポートすることも大切な仕事です。
そのほか、社内の膨大なコスチュームの中からシーズンごとに楽屋へ準備したり、外部公演のための発送作業、日々のメンテナンスやクリーニング作業等、衣装管理・運営の業務は多岐にわたります。
身につけた技術を活かしたくて、卒業後に中途入社をめざした
大学時代にファッションショーを多く観たことにより、煌びやかで非現実を感じられる舞台衣装にとても興味が湧きました。卒業後はアパレルの販売員として働く傍ら、BUNKAで身につけた技術をもっと発揮できる仕事はないかと考え、たどり着いたのがコスチュームに携わる仕事でした。中でも、サンリオピューロランドは幼いころから馴染みがあり、夢のある世界観が自分にぴったりだと思い、中途採用の募集がかかるのを待って入社に至りました。
在学中にファッションショーに携った経験は、今とても役に立っています。思い返すと現在の仕事に通じるものがたくさんありましたね。当時は、デザインからパターン作成、製作、衣装の完成後はリハーサル・本番終了までの衣装管理・メンテナンスと、盛りだくさんの内容をがむしゃらに取り組んでいました。だからこそ、モデルが作品を纏ってスポットライトを浴びながらランウェイを歩く姿を目にした時には、達成感で涙が止まらなかったことを思い出します。
今の仕事ではパターン作成や製作の段階に直接かかわることは少なくなりましたが、大勢の仲間たちとひとつのショーを作り上げる度に、この初心を忘れずにいたいと感じています。
自分の「好き」を追求していた学生時代
細かな作業が得意だったので、刺繍や編み物の授業を積極的に履修して凝った作品を製作していました。卒業研究ではパッチワークを用いたワンピースドレスを製作するなど、自分の「好き」をとことん追求していました。
今は、お客様の好みの傾向やイベントの方針に合わせてデザインを構築していくので、自分の好みの範疇を超えて引き出しを増やすために、いつでもアンテナを張り巡らせています。
BUNKAでの学生生活を振り返ると、とても恵まれた環境で学ぶことができた4年間だったと改めて感じます。いま勉強中の学生の皆さんには、好き/嫌い・得意/苦手、という意識にとらわれず、少しでも興味のあることには積極的にチャレンジし、自分の視野を広げていってほしいなと思います。
自分の手掛けたコスチュームを見てお客様が笑顔になってくれる
ほっとするのは、自分が手掛けたコスチュームが、無事初日を迎えられた時ですね。
キャラクターやライブエンターテイナーがコスチュームを素敵に着こなして踊っている姿、それを観たお客様から笑顔があふれた瞬間には、言葉では表せない達成感でいっぱいになります。
今後の目標は、メインパレードのコスチュームをデザインすること。またコスチュームという観点から、サンリオキャラクターの魅力を世界に発信していけるような衣装作りをしていきたいと思います。
(取材:2022年3月)
※所属や職種名などは取材当時のものです。