目に見える評価を得るために 挑み続けたファッションコンテスト
コンテストに興味を持つようになったのは高校時代。通っていた高校の被服デザイン科では、授業の一環でコンテストへの応募が必須でした。ファッションデザイナーをめざしてBUNK Aへ入学した後も、コンテストへの応募を続けたことは自然な流れ。BUNK Aにはコンテストの制作費や参加費を支援する同窓会のサポートがあり、幸いにも何度かそれを得ることができたので資金にはあまり苦労せずにすみました。
装苑賞応募作品。テーマは「共存」。
これまでに応募した中で、もっとも印象深い挑戦だったのが「装苑賞」です。自分がファッション分野で本当にやりたいことに気づけたコンテストでした。2 年生のときに応募した装苑賞では一次審査を通過し、実物の服を仕立てる審査に臨みました。制作を友人や先生に助けてもらった貴重な体験です。さらに素晴らしかったのは、審査員であるファッションデザイナーのコシノジュンコさんにお会いできたこと。コロナ禍でしたから抗ウイルス生地を使った社会問題に焦点を当てたコンセプチュアルな作品にしたのですが、「まず人が着て美しい服を」と指摘していただきました。「コンセプト以上に、きれいな服をデザインすることが大切」という言葉も忘れられません。服を作る上で大切なことを改めて実感した出来事です。そのとき、「私がめざすのは女性を美しく見せる服づくり」という思いが湧き起こりました。
選者のコシノジュンコさんから「テーマに忠実になりすぎている分シルエットが重そうに見える。テーマに縛られず、着て美しい服をつくってみて」とアドバイスをいただいた。
「快適に、美しく」をめざし続ける 私のチャレンジ
ファッションクリエイション学科では、ポートフォリオづくりを含めたデザインの授業のほか、衣服の快適性といった服の「機能」について考える授業もありました。それらに加え、コンテストでの気づきを踏まえて私が就職先に選んだのはワコール。社内デザイナー兼パタンナーとしての採用です。着る服に制約がある社会人でも、下着なら自由に自己表現できるでしょう。デザインの余地がきっとたくさんあります。これまでチャレンジしてきたことで得た多くの気づきを生かして、人を快適にそして美しくしたいという望みも、下着なら叶えられそうです。BUNK Aで挑戦し続けてきたことが、いま実を結びました。