新しいことを「提案する」「広める」という役割を考えた
東京都 私立文化学園附属杉並高等学校 出身
「服が捨てられるなら再利用して新しいモノにつくり変えよう、地球環境に配慮するファッションを店(ラボ)に来る人たちに伝えよう」 。僕らが企画したワークショップはこうしたコンセプトです。2023年6月の施設オープン時から不定期で行っています(展示は常設)。古着や余剰服を素材にしたバイオ燃料「エシカルザンプ®」を紹介すると、参加したお客さんは「服でこんなことができるんだ!」と驚いてくれます。目的は服の循環を大勢の人に知ってもらうこと。新しい服はつくれませんが、新しいことを「広める活動」は僕たちの役目だと思っています。
授業では日頃より、SDGsに関することが必然的に頭にインプットされています。アパレルにおける大量生産、大量廃棄は避けて通れない問題で、服に携わるならそれに対して考えることが必須だからです。今回の取り組みとゼミで学んだことは、環境問題への意識をより高めてくれました。もうひとつ、日々感じていることはBUNKAでは個性を否定されないということ。今回のイベントも一人ひとりのアイデアをかたちにしたもので、無理に周りに合わせたりしていません。個性があればあるほど興味を持たれるのがBUNKAの常です(笑)。
エシカルザンプ® は、そのままだと真っ黒い固形燃料。持ち歩けるよう布でくるんでバッジにするというリメイクのアイデアを採用。
この取り組みを経験して将来の選択肢が増えた
東京都 私立文化学園附属杉並高等学校 出身
僕らはふたりとも同じ高校出身で2 年間同じクラス。大学では所属ゼミが異なり、僕は主に流行意識などについて学び、彼は着装行動や実験心理学です。今回はふたつのゼミが合同でファクトリーラボでの企画に取り組みました。ラボでは植物や食べ物などの捨てられる素材を再生可能エネルギーにする近畿大学のバイオコークス研究所と、循環型ファッションを学ぶ僕たちの学科が共同展示をしています。僕らは「エシカルザンプ®」をさらに布でくるんだバッジの制作体験を通して、一般のお客さんにSDGs な固形燃料を持ち歩く未来的なファッションスタイルをPRしました。施設を運営する企業とも一緒に取り組めて社会経験できたのが大きな収穫です。これまではどこか遠くに思えていた、企業が提唱するSDGsの取り組みも、自分事として身近に考えられるようになりました。
BUNKAに入って服がもっと好きになったことは間違いありませんが、本当に欲しい服だけを買い、その1 着を大切に着るという発想に変わってきました。今回の取り組みはファッション界が抱える環境問題への興味とゼミ活動とが一致する、自分にとってベストな経験になったことを嬉しく思っています。
バイオコークス研究所の技術を用いてつくる再生可能エネルギー、エシカルザンプ®は、布に圧縮と熱を加えて再固形化する。その際の添加物は一切ない。