空間デザインで、社会をより豊かな場所にしていきたい。


建築・インテリア学科を卒業後、レジデンス、ホテル、オフィスなどのリノベーションやインテリアデザイン、ワークスタイルデザインを提案する会社で働いています。所属はデザイン・設計を行う部署で、入社から2年間は主にホテルを、3年目からはレジデンスをメインに担当しています。現在はマンションの共有部やファサードの基本設計を任されており、ときには専属チームと組んで、計画の初期段階から関わりブランディングを手掛けることもあります。

やりがいを実感するのは、自分の仕事が評価されたと感じる瞬間。完成した後に担当者から喜びの声をいただけたり、ホテルなどの場合は宿泊された方のレビューでボジティブな声を見かけたときは本当に嬉しくなります。

しかし、社会に出てからこれまで決して順風満帆というわけではなく、いくつも失敗を経験してきました。学生時代は、大人になると自分らしさを尖らせることが難しくなると思い、物事をミクロな視点で考えることにこだわっていました。そのため、入社1年目に参加したホテル改修のコンペでは、学生時代と同様ミクロな部分へのこだわりに終始してしまい、結果として全体のバランスや俯瞰的に課題を捉えるということが全くできていませんでした。この案件では、自分のこだわりや意図を上司が汲んでくださり、無事の提案内容へと盛り込むことができましたが、ミクロとマクロの視点のバランスが大事なのだと痛感した出来事でした。

この気づきがあってからは、案件に関して本質的な課題は何なのかを以前にも増して考えるようになりました。すると、お客様のご要望と課題の本質との乖離に気づくこともあり、本当の意味でソリューションを提案することにも繋がるようになりました。マクロの視点があるからこそ、僕ならではのミクロの説得力も増し、自分らしさもうまく出せるようになってきたと感じています。

そのミクロのこだわりや基礎を養ったのは、BUNKAで過ごした4年間でした。特に、匂いを視覚で表現したり、香りから色を連想したり、五感でデザインを捉えることを学んだ授業では、デザインを考える上での視野を大きく広げることができました。また、建築やインテリアに向き合う中で、「空間に意義を与えること」の重要性を学ぶこともできました。考えてみれば、人は生きていく上で必ずインテリアや空間に触れています。だからこそ、その場所のあり方はとても重要だと思いますし、その場所の善し悪しよって人の感情やライフスタイルも変わっていくのです。

今はまだ、目の前の仕事に精一杯取り組む毎日ですが、その積み重ねが社会をより豊かな場所にしていくという意識を持って、今後もいろいろな空間づくりに関わっていけたらと思っています。

  • 本質と向き合いながら、様々なプロジェクトに挑みたい。


    三井デザインテックの、レジデンス・ホテル・オフィスのデザインチームが一丸となって携わった新本社(オフィス移転)プロジェクトは、社員一人ひとりの個性や専門性を掛け合わせるという意味の「CROSSOVER」がコンセプト。写真は2021年に完成した本社エントランスの受付エリア。このコンセプトを体現すべく、横断的な発想で新しい空間の価値の創造を追求し、様々なプロジェクトに挑戦していきたいです。