シラバス授業計画

被服環境学専攻(博士後期課程)

人間を取り巻くもっとも身近な環境として、また、人間を包み表現し、人間の社会的文化的環境を形成する重要な要因として服装をとらえ、博士後期課程では、被服環境学というカテゴリーで、服装学研究を展開します。博士後期課程のシステムは、被服素材論・被服管理論・服装機能論・服装造形論・服装社会論・ファッションビジネス経営論・ファッション文化論を柱にしており、これらは博士前期課程の延長線上にあるばかりではなく、より総合的な研究の方法を画定し、新しい研究領域や課題の体系化をめざしています。現在、学位論文の審査を経て、博士号を得た修了生が国内外の教育・研究分野で活躍しています。

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[専攻分野]

被服素材論 »   被服管理論 »   服装機能論 »   服装造形論 »
服装社会論 »   ファッションビジネス経営論 »   ファッション文化論 »


被服素材論/被服管理論

多様なファッションの展開において、テキスタイルデザインは重要な要素となります。テキスタイルデザインを構想・企画するには被服材料学および被服整理学を理解し、テキスタイルの素材の物理的・化学的特性、組織構造、表面特性の知識を 駆使して、利用目的に適合させることが求められます。ファッションテキスタイル分野は、テキスタイルデザインの基礎をなす学問分野で構成され、被服材料学と被服整理学を2本の柱とし、これにデザイン技法を加えてカリキュラムを構成しています。
博士後期課程では、テキスタイルに関わる化学的、物理的現象論を学び、化学的、物理的方法論から感性の理解と感性評価法にわたって学修します。また、繊維表面に注目して、テキスタイルの新しい機能表面の創成、およびその表面物性評価についての高度な理解を進めます。

[授業科目]

被服素材論

被服材料化学論 教授 森川 陽
被服材料物理論 教授 森川 陽

被服管理論

被服表面機能論 教授 米山 雄二
被服表面物性論 教授 米山 雄二

[博士論文テーマ例]

  • 透けるテキスタイルが重なった場合の色の視覚印象評価に関する研究
  • 布およびその素材としてのポリマー表面の機能化に関する研究
    ―ポリエステルを中心に―
  • エタノール水溶液系洗浄剤の研究と開発
  • 布からの粒子汚れの除去に関する基礎的な研究
  • 光触媒反応による布からの油汚れの除去


服装機能論

服装機能学は、服装の機能性を左右する要因を抽出し、その効果を定量的に評価すると共に、成果をアパレルの開発に反映させる方法論を確立しようとする領域です。乳児から高齢者にいたる様々な人間が着用する衣服、下着からアウターウェア、スリーピングウェア、スポーツウェア、ワーキングウェアまでそれぞれ目的と状況を異にして着用される各種アパレルの開発においては、快適性や機能性・健康性が重要なキーワードとなっています。本分野では、衣服の快適性・機能性を、着用する人間の形態・運動機能・温熱生理・感覚生理等に視座を置いて研究し、素材・パターンとの関係について把握することのできる教育研究者、高度専門技術者、さらには機能性ファッションデザイナー等の人材育成を目指しています。 博士後期課程では、生理学・形態学の基礎を掘り下げながら、より本質的な研究課題に取り組みます。
本分野の研究は、実験系を中心として推進されますが、幸いにも本学には4つの人工気候室と人間工学実験室が完備され、ポリグラフィー・サーモグラフィ等を用いた人間の感覚や心理・感性に関する研究、3次元人体形状・動態分析・衣服圧計測による人間工学研究、人間をシミュレートした発汗ロボット開発による企業との先端的共同研究なども学生参加の下活発に展開され、博士論文の発表では多くの国内外の賞を獲得しています。

[授業科目]

服装機能論

服装機能生理論 教授 田村 照子
服装機能形態論 教授 田村 照子

[博士論文テーマ例]

  • Water Vapour Transfer and Condensation through Textile Materials at Combinations of Temperature and Pressure Which Simulate Elevated Altitudes.
  • 乳児の可動型発汗サーマルマネキンの開発と乳児の衣環境の評価に関する研究
  • 小学生児童の適正着衣に関する研究
  • 現代社会における各種温熱環境下での快適着衣量に関する基礎的研究
  • 中年女子の「ボディコンシャス」とファンデーション着用に関する研究
    ―皮下脂肪分布と圧感覚、体表振動特性の視点から―
  • 高温多湿環境における温熱生理反応及び着衣の快適性  ―台湾における快適着衣条件を探るー
  • 加齢に伴う冷・温覚閾値の変化


服装造形論

人間の生活環境と密接に結びつきながら、時代と共に変化しているファッションデザイン。その本質を捉え、ファッションデザインから、その視覚伝達、服装造形までの一貫した行程を包括的に学修・研究し、国内外の研究・教育分野で活躍できるファッションデザインの専門家の育成、また産業界に貢献できる社会性の高い人材の育成を目指します。世界的に活躍するファッションデザイナーを迎え、非日常に見られる独創的な造形美から日常生活におけるレイヤー・スタイリング、さらに時間軸、空間軸による意匠の多様性にまで切り口を広げ、課題の体系化を目指すと共に、グローバルに通用するファッションデザイナーの育成を支援します。

[授業科目]

服装造形論

服装造形論 教授 廣川 妙子
服装設計情報論
教授 鈴木 賢次郎
服装デザイン論    

[博士論文テーマ例]

  • 明治以降の衣服製作教育における女子上半身用原型製図法の変還
  • 台湾における女性中高年者の衣料サイズ規格の試案及び衣服設計用ボディの設計製作
  • 袖パターンの袖山部設計のための上肢形態特性と作図理論研究
  • ボディの三次元データを用いた衣服パターン設計に関する基礎研究


服装社会論/ファッション文化論

服装社会学は、服装やファッション現象に関する社会科学的研究を目的とする領域です。服装学研究の中に服装に関する社会科学的研究の必要性が説かれるようになって、わが国では半世紀を越すほどになりました。同時にその方向づけは、ひとまず服装社会学として成長することに求められてきたと言ってよいでしょう。極めて限定的な範囲のものではありましたが、従来の社会学に根差した服装社会学が、少数の先駆者たちによって試行錯誤を繰り返しながら徐々に築き上げられ、市民権を得るようになって50年あまりの歴史が経過しています。
今日、その研究領域は、服装それ自体が人間の心理と行動、社会関係、ファッション文化とその歴史、そして経済的行為など、社会学的ないし社会学的意味を含むものとして捉えられ、特に社会学的視点を中心においた隣接領域とのかかわりと方法論を用いて広げられています。すなわち、服装社会学は、社会学的領域、心理学的領域、文化人類学・歴史学的領域、経済学・産業論的領域を包括するものと理解されるようになりました。
服装社会学の研究は、今後、いわゆる服装社会学とファッション文化・服飾史の二つの領域を融合するものとすることによって、ますますその研究課題の広がりを見せることでしょう。その傾向は研究成果にも表われています。

[授業科目]

服装社会論

服装社会論Ⅰ 教授 濱田 勝宏
服装社会論Ⅱ 教授 濱田 勝宏

ファッション文化論

ファッション文化論Ⅰ 特任教授 古賀 令子
ファッション文化論Ⅱ 特任教授 古賀 令子
服装史論 講師 徳井 淑子

[博士論文テーマ例]

  • 明治初期・中期日本における「洋装化」に関する―研究
  • 20代女性の素肌ならびに化粧肌の色に関する研究 ―日韓の比較―
  • 服装と文化に関する社会学的研究 ―構造と行為を中心とした文化的再生産論の応用研究―
  • おしゃれ観に関する服装社会学的研究
  • 社会と個人から見た外見の印象管理
    ―女性における就職・就業のための服装による印象管理を中心に―
  • 化粧に見られる美的価値基準の問題と解決策としての化粧教育の提案


ファッションビジネス経営論

人間が存在する限り、ファッションビジネスに終わりが無い状況の中で、マーケティング、経営、行動科学等、複合領域アプローチによるファッションビジネスの構造、戦略、市場分析の解明をテーマとしています。統計分析、ケーススタディ等の実証分析ツール及び理論研究を応用したファッションビジネスの現象を通して、ファッションビジネス業界で活躍できる優れた人材の育成と、修士の学位取得後、今後の学会におけるファッションビジネス関連の学術的研究者の輩出を目指します。
教育内容は、ファッションビジネスの構造や業態、ITやグローバリゼーションの進展がファッションビジネスに及ぼす影響などについてマクロの産業的視点からのアプローチ、およびアパレル企業のビジネスモデルやビジネス戦略、ファッションの消費行動や消費者満足等のミクロ的視点から問題点を抽出し、新しい仕組みや理論構築に繋げていきます。

[授業科目]

ファッションビジネス経営論

ファッションビジネス経営論Ⅰ 教授
教授
照井 義則
金川 孝義
ファッションビジネス経営論Ⅱ 教授
教授
照井 義則
松平 寿美枝

[博士論文テーマ例]

  • 明治初期・中期日本における「洋装化」に関する―研究
  • 20代女性の素肌ならびに化粧肌の色に関する研究 ―日韓の比較―
  • 服装と文化に関する社会学的研究 ―構造と行為を中心とした文化的再生産論の応用研究―
  • おしゃれ観に関する服装社会学的研究
  • 社会と個人から見た外見の印象管理
    ―女性における就職・就業のための服装による印象管理を中心に―
  • 化粧に見られる美的価値基準の問題と解決策としての化粧教育の提案